【解説】
\( x、y \) が実数であることから、判別式を用いて取りうる範囲を求める問題です。図形の性質を使って求めることもできるため、別解として紹介します。
【解答】
(1) \( x^2-2xy+2y^2=4 \cdots ① \)
\( x+y=k \) とおき、\( y=-x+k \) を①に代入する
\begin{equation}
x^2 -2x(-x+k) +2(-x+k)^2 = 4 \\
x^2 +( 2x^2 – 2kx ) + ( 2x^2 -4kx + 2k^2) = 4 \\
5x^2 – 6kx +2k^2 -4 =0 \cdots ② \\
\end{equation}
②を満たす実数 \( x \) が存在しなければならないので、②の判別式を \( D \) とすると、
\begin{eqnarray}
D/4 &=& (3k)^2 -5(2k^2 -4) \\
&=& -k^2 + 20 \ge 0
\end{eqnarray}
だから
\begin{equation}
k^2 \ge 20 \\
-2\sqrt{5} \le k \le 2\sqrt{5}
\end{equation}
よって、求める最大値は \( 2\sqrt{5} \) となる
(2) \( \displaystyle \frac{x}{y+4} = k \) とおき、\( x=k(y+4) \) を①に代入すると、
\begin{equation}
\{ k(y+4) \}^2 – 2k(y+4)y +2y^2 = 4 \\
( k^2y^2 + 8k^2y + 16k^2 ) + ( -2ky^2 – 8ky ) + 2y^2 = 4 \\
( k^2-2k+2 )y^2 + (8k^2 -8k)y +16k^2 -4 = 0 \\
( k^2-2k+2 )y^2 + 8k(k – 1)y +16k^2 -4 = 0 \cdots ③ \\
\end{equation}
ここで、③の \( x^2 \) の係数は、
$$ k^2-2k+2 = (k-1)^2 +1 > 0 $$
だから、③は \( x \) の2次方程式となる。③を満たす実数 \( x \) が存在するためには、③の判別式を \( D \) とすると、
\begin{eqnarray}
D/4 &=& \{ 4k(k-1) \}^2 – ( k^2-2k+2 )( 16k^2 -4 ) \\
&=& ( 16k^4 – 32k^3 + 16k^2 ) – ( 16k^4 – 32k^3 + 32k^2 – 4k^2 + 8k – 8 ) \\
&=& – 12k^2 – 8k + 8 \ge 0 \\
\end{eqnarray}
だから、
\begin{equation}
3k^2 + 2k – 2 \le 0 \\
\frac{-1-\sqrt{7}}{3} \le k \le \frac{-1+\sqrt{7}}{3}
\end{equation}
よって、求める最大値は \( \displaystyle \frac{-1+\sqrt{7}}{3} \) となる
別解
①を変形すると
\begin{equation}
x^2-2xy+2y^2=4 \\
(x-y)^2 + y^2 = 4 \cdots ④ \\
\end{equation}
ここで、\(x-y=X、y=Y \) とおくと、④は、
$$ X^2 + Y^2 =4 \cdots ⑤ $$
となる。また
\begin{equation}
\left\{
\begin{array}{l}
x=X+Y \\
y=Y \\
\end{array}
\cdots ⑥ \right.
\end{equation}
となる。
(1)
\begin{eqnarray}
k &=& x+y \\
&=& (X+Y) + Y
\end{eqnarray}
\begin{equation}
∴X+2Y-k = 0 \cdots ⑦
\end{equation}
⑤と⑦が常に共有点を持たなければならない。⑤は原点中心、半径 \( 2 \) の円だから、原点と直線⑦の距離が \( 2 \) 以下となればよい。
\begin{equation}
\frac{|-k|}{\sqrt{1^2+2^2}} \le 2 \\
\frac{|k|}{\sqrt{5}}\le 2 \\
|k| \le 2\sqrt{5} \\
∴-2\sqrt{5} \le k \le 2\sqrt{5}
\end{equation}
よって求める最大値は \( 2\sqrt{5} \)
(2)
\begin{equation}
k=\frac{x}{y+4}=\frac{X+Y}{Y+4} \\
∴k(Y+4)=X+Y \\
X+(1-k)Y-4k=0 \cdots ⑧
\end{equation}
⑤と⑧が常に共有点を持たなければならない。(1)と同様に、原点と直線⑧の距離が \( 2 \) 以下となればよい。
\begin{equation}
\frac{|-4k|}{\sqrt{1^2+(1-k)^2}} \le 2 \\
\frac{|4k|}{\sqrt{k^2-2k+2}} \le 2 \\
2|k| \le \sqrt{k^2-2k+2} \\
4k^2 \le k^2 – 2k + 2 \\
3k^2+2k-2 \le 0 \\
\frac{-1-\sqrt{7}}{3} \le k \le \frac{-1+\sqrt{7}}{3}
\end{equation}
よって求める最大値は \( \displaystyle \frac{-1+\sqrt{7}}{3} \)