【問題】n+1, n^3+3, n^5+5, n^7+7 がすべて素数となる正の整数 n は存在しないことを証明

数学
2013年 大阪大学 理系第3問

\( 4 \) 個の整数 \( n+1, n^3+3, n^5+5, n^7+7 \) が全て素数となるような正の整数 \( n \) は存在しない。これを証明せよ。

まずは \( n \) に値を代入し、実験してみましょう。
\begin{array}{|c|c|c|c|c|}
\hline
n & n+1 & n^3+3 & n^5+5 & n^7+7 \\
\hline
1 & 2 & 4 & \underline{6} & 8 \\
2 & 3 & 11 & 37 & \underline{135} \\
3 & 4 & \underline{30} & 248 & 2194 \\
4 & 5 & 67 & \underline{1029} & 16391 \\
\cdots & \cdots & \cdots & \cdots & \cdots \\
\hline
\end{array}
\( 3 \) の倍数(下線部分)が含まれ、すべてが素数でないと推測されます。合同式(\(\mod 3\))を使って証明してみましょう。

【解答】
i) \( n\equiv 0\ (\mod3 ) \) のとき
$$ n^3+3 \equiv 0^3 + 3 = 3 \equiv 0 $$
となり、\( n^3 + 3 \) は \( 3 \) の倍数。さらに \( n^3+3 > 3 \) だから、\( n^3+3 \) は素数ではない。

ii) \( n\equiv 1\ (\mod3 ) \) のとき
$$ n^5+5 \equiv 1^5 + 5 = 6 \equiv 0 $$
となり、\( n^5+5 \) は \( 3 \) の倍数。さらに \( n^5+5 > 5 \) だから、\( n^5+5 \) は素数ではない。

iii) \( n\equiv -1\ (\mod3 ) \) のとき
$$ n^7+7 \equiv (-1)^7 + 7 = 6 \equiv 0 $$
となり、\( n^7+7 \) は \( 3 \) の倍数。さらに \( n^7+7 > 7 \) だから、\( n^7+7 \) は素数ではない。

i)~iii)より、 \( 4 \) つの数のすべてが素数となる正の整数 \( n \) は存在しない。

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