【問題】極形式の問題(2021年京都工芸繊維大)

数学
2021年 京都工芸繊維大学 第4問(2)

\( \theta \) を実数とし、\( n \) を整数とする。\( z = \sin \theta + i \cos \theta \) とおくとき、複素数 \( z^n \) を \( \cos(n \theta) \) と \( \sin(n \theta) \) を用いて表せ。ただし、\( i \) は虚数単位である。

【解説】

\( z \) が一般的な極形式かと思ってしまいます。よく見ると、\( \sin \theta, \ \cos \theta \) が逆になっています。ド・モアブルの定理を使いますが、注意しましょう。

【ド・モアブルの定理】
$$ ( \cos \theta + i \sin \theta )^n = \cos n\theta + i \sin n\theta $$

【解答】

\begin{eqnarray}
i z &=& i ( \sin \theta + i \cos \theta ) \\
&=& – \cos \theta + i \sin \theta \\
&=& – ( \cos\theta – i \sin \theta ) \\
&=& – \{ \cos (- \theta ) + i \sin (- \theta )\} \cdots ①
\end{eqnarray}
①の両辺を \( n \) 乗すると、
\begin{eqnarray}
(iz)^n &=& (-1)^n \{ \cos (- \theta ) + i \sin (- \theta )\}^n \\
i^n z^n &=& i^{2n} \{ \cos (- n\theta ) + i \sin (- n\theta )\} \\
∴z^n &=& i^n ( \cos n\theta -i \sin n\theta ) \cdots ②
\end{eqnarray}
ここで、
\begin{equation}
i^n = \left\{
\begin{array}{cl}
1 &(n=4k)\\
i &(n=4k+1)\\
-1 &(n=4k+2)\\
-i &(n=4k+3)\\
\end{array}
\right.
\end{equation}
だから②より
\begin{equation}
z^n = \left\{
\begin{array}{cl}
\cos n\theta – i \sin n\theta &(n=4k)\\
\sin n\theta + i \cos n\theta &(n=4k+1)\\
-\cos n\theta + i \sin n\theta &(n=4k+2)\\
-\sin n\theta – i \cos n\theta &(n=4k+3)\\
\end{array}
\right.
\end{equation}

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