【解説】
整数問題です。(1)の誘導があり、解きやすい問題になっています。(1)では \( 6n^2+5 \) が \( 5 \) の倍数であることがわかります。(2)では(1)を参考にして、\( 5 \) で割った余り \( ( \mod5) \) を調べましょう。
(1)の誘導がないと解法を思いつくのは、なかなか難しいですね。もし(1)の誘導がない場合は、実験で規則性を調べてみましょう。
\begin{equation}
\begin{array}{cccc}
\hline
n & n^2+1 & 2n^2+3 & 6n^2+5 \\
\hline
1 & 2 & \underline{5} & 11 \\
2& \underline{5} & 11 & 29 \\
3 & \underline{10} & 21 & 59 \\
4 & 17 & \underline{35} & 101 \\
5 & 26 & 53 & \underline{155} \\
6 & 37 & \underline{75} & 221 \\
\cdots & & & \\
\hline
\end{array}
\end{equation}
となり、いずれかが \( 5\) の倍数になっていることがわかり、\(\mod5\)で検証すればよいことがわかります。
【解答】
(1)\( n \) が \( 5 \) で割り切れるとき、すなわち \( n \equiv 0 (\mod 5) \) となるとき、
\begin{equation}
\begin{array}{ll}
n^2+1 \equiv 0^2+1 = 1 & \cdots ① \\
2n^2+3 \equiv 2\times 0^2+3 = 3 & \cdots ② \\
6n^2+5 \equiv 6 \times 0^2+5 = 5 \equiv 0 & \cdots ③ \\
\end{array}
\end{equation}
\( n \) は自然数だから、\( 6n^2+5 > 5 \) だから、③より \( 6n^2+5 \) は \( 10 \) 以上の \( 5 \) の倍数となる。よって(※)を満たさない。
(2)
i) \( n \equiv \pm1 (\mod5) \) のとき
\begin{eqnarray}
2n^2+3 & \equiv & 2\times (\pm1)^2+3 \\
& = & 5 \equiv 0 (\mod5) \cdots ④
\end{eqnarray}
\( n=1 \) のとき、\( 2n^2+3=5 \) で素数
\( n>1 \) のとき、\( 2n^2+3 > 5 \) となり、④より \( 2n^2+3 \) は \( 10 \) 以上の \( 5 \) の倍数となる。よって素数ではない。
ii) \( n \equiv \pm2 (\mod5) \) のとき
\begin{eqnarray}
n^2+1 & \equiv & (\pm2)^2+1 \\
& = & 5 \equiv 0 (\mod5) \cdots ⑤
\end{eqnarray}
\( n=2 \) のとき、\( n^2+1=5 \) で素数
\( n>2 \) のとき、\( n^2+1 > 5 \) となり、④より \( n^2+1 \) は \( 10 \) 以上の \( 5 \) の倍数となる。よって素数ではない。
i),ii)より
\( n=1 \) のとき、
\begin{eqnarray}
n^2+1 &=& 2 \\
2n^2+3 &=& 5 \\
6n^2+5 &=& 11
\end{eqnarray}
となり、すべて素数となる。
\( n=2 \) のとき、
\begin{eqnarray}
n^2+1 &=& 5 \\
2n^2+3 &=& 11 \\
6n^2+5 &=& 29
\end{eqnarray}となり、すべて素数となる。
\( n \ge 3 \) のとき、\( n^2+1, 2n^2+3, 6n^2+5 \) のいずれかが \( 10 \) 以上の \( 5 \) の倍数となり、素数とはならない。
よって、\( n=1,2 \) のときのみ、(※)が成り立つ(証明終了)。