三角関数のちょっとした性質

数学 数学
数学

三角関数のちょっとした性質の覚え方です。平行移動と微分積分の関係が見えてきます。

三角関数の平行移動

\(\sin x\) や \(\cos x\) に \(\frac{\pi}{2}\) を足したり、引いたりすると、以下のようになります。

\begin{eqnarray}
\sin (x + \frac{\pi}{2}) & = & \cos x \tag{1} \\
\cos(x + \frac{\pi}{2}) & = & – \sin x \tag{2} \\
– \sin (x + \frac{\pi}{2}) & = & – \cos x \tag{3} \\
– \cos(x + \frac{\pi}{2}) & = & \sin x \tag{4} \\
\\
\sin (x – \frac{\pi}{2}) & = & – \cos x \tag{5} \\
– \cos(x – \frac{\pi}{2}) & = & – \sin x \tag{6} \\
– \sin (x – \frac{\pi}{2}) & = & \cos x \tag{7} \\
\cos(x – \frac{\pi}{2}) & = & \sin x \tag{8}
\end{eqnarray}

これは以下のように、\(x\)に\(+\frac{\pi}{2}\)すると右回転で変化していきます。

\begin{array}{ccccc}
& & \sin x & & \\
& + \frac{\pi}{2} \nearrow & & \searrow + \frac{\pi}{2} & \\
– \cos x & & & & \cos x \\
& + \frac{\pi}{2} \nwarrow & & \swarrow + \frac{\pi}{2} & \\
& & – \sin x & &
\end{array}

一方、\(x\)に\(-\frac{\pi}{2}\)すると左回転で変化していきます。

\begin{array}{ccccc}
& & \sin x & & \\
& – \frac{\pi}{2} \swarrow & & \nwarrow – \frac{\pi}{2} & \\
– \cos x & & & & \cos x \\
& – \frac{\pi}{2} \searrow & & \nearrow – \frac{\pi}{2} & \\
& & – \sin x & &
\end{array}

三角関数の微分・積分

また、\(\sin x\) や \(\cos x\) を微分したり、積分したりすると、以下のようになります。

\begin{eqnarray}
(\sin x)^{\prime} & = & \cos x \tag{9} \\
(\cos x)^{\prime} & = & – \sin x \tag{10} \\
(- \sin x)^{\prime} & = & – \cos x \tag{11} \\
(- \cos x)^{\prime} & = & \sin x \tag{12} \\
\\
\int \sin x dx & = & – \cos x + C \tag{13} \\
\int ( – \cos x ) dx & = & – \sin x + C \tag{14} \\
\int ( – \sin x ) dx & = & \cos x + C \tag{15} \\
\int \cos x dx & = & \sin x + C \tag{16}
\end{eqnarray}

これは以下のように、\(\sin x\) や \(\cos x\) を \(x\) で微分すると右回転で変化していきます。

\begin{array}{ccccc}
& & \sin x & & \\
& 微分 \nearrow & & \searrow 微分 & \\
– \cos x & & & & \cos x \\
& 微分 \nwarrow & & \swarrow 微分 & \\
& & – \sin x & &
\end{array}

一方、\(\sin x\) や \(\cos x\) を \(x\) で積分すると左回転で変化していきます。

\begin{array}{ccccc}
& & \sin x & & \\
& 積分 \swarrow & & \nwarrow 積分 & \\
– \cos x & & & & \cos x \\
& 積分 \searrow & & \nearrow 積分 & \\
& & – \sin x & &
\end{array}

\(\sin x\) や \(\cos x\) を微分は位相\( ( x ) \)を\(+\frac{\pi}{2}\)することを意味し、積分は位相\( ( x ) \)を\(-\frac{\pi}{2}\)することを意味していますね。

タイトルとURLをコピーしました