【解説】
まずは実験してみましょう。
\begin{array}{c|l}
m & {}_{2015}C_m \\
\hline
1 & 2015 \\
2 & \frac{2015 \cdot 2014}{2 \cdot 1} = 2015 \cdot 1007 \\
3 & \frac{2015 \cdot 2014 \cdot 2013}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 2015 \cdot 1007 \cdot 671 \\
4 & \frac{2015 \cdot 2014 \cdot 2013 \cdot 2012}{4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1} = 2015 \cdot 1007 \cdot 671 \cdot 503 \\
\cdots & \cdots
\end{array}
最初のうちは奇数が続きます。このまま \( m \) の値が大きくなっていくと、どこかで偶数になるので、今後の変化を調べなければなりません。\( C \) (combination) は階乗(!)の計算なので、隣り合う値との比( \( a_{m+1}/a_m \) )を計算すると簡単に表現できます。
【解答】
\begin{eqnarray}
a_n &=& {}_{2015} C_m (ただしm\le2015)\\
&=& \frac{2015!}{m!(2015-m)!} \\
∴\frac{a_{m+1}}{a_m} &=& \frac{2015!}{(m+1)!(2015-m-1)!} \cdot \frac{m!(2015-m)!}{2015!} \\
&=& \frac{m! \cdot (2015-m)(2014-m)!}{(m+1)m! \cdot (2014-m)!} \\
&=& \frac{2015-m}{m+1} \\
∴a_{m+1} &=& \frac{2015-m}{m+1} a_m \cdots ①
\end{eqnarray}
ここで
$$ b_m= \frac{2015-m}{m+1} \cdots ② $$
とおく。\( a_1 = {}_{2015} C_1 = 2015 \) で奇数だから、\( b_m \) が初めて偶数になったときに\( a_{m+1} \) が初めて偶数となる。
よって \( a_m \) が初めて偶数になるのは、\( b_{m-1} \) が初めて偶数になるときだから、
$$ b_{m-1} = \frac{2016-m}{m} = 2k (k:自然数)\cdots ③ $$
とおくと
\begin{equation}
2016-m = 2km \\
(2k+1) m = 2016 \\
∴m = \frac{2^5 \cdot 3^2 \cdot 7}{2k+1} \cdots ③
\end{equation}
③より \( m \) が最小となるのは \( 2k+1 \) が最大のときである。\( 2k+1 \) は奇数だから、\( 2k+1 \) のとりうる最大値は \( 3^2 \cdot 7 \) であり、このとき \( m \) の最小値は、
$$ m=2^5=32 \cdots (答)$$
となる。